オフィスレイアウトの基準寸法|デスクや会議テーブルのレイアウトの基本
働く人の業務効率や安全性に配慮したオフィスレイアウトにすることで、快適で居心地がよく、活き活きと働くことができる職場づくりに繋がります。
そこで、業務効率や安全性に留意したオフィスレイアウトの基本に「基準寸法」があります。基準寸法とは、スペースの用途に応じて、オフィス家具、事務機器などをスペースの中に適切に配置する際の指標となる「通路幅」「デスクとデスクの間」「会議テーブルと壁の間」などの寸法をどれくらいにしたらいいかの目安となるものです。
基準寸法に則って作られたオフィスレイアウトは、通路が適切に確保され、わかりやすい動線となり、機能的で働きやすいオフィス環境となります。
こちらのページでは、20年以上、オフィス家具専門ECサイトを運営する「オフィス家具ドットコム」のスタッフ一同でアイデアを出し合い、オフィスレイアウトの基本である「基準寸法」についてまとめました。
一口にオフィスと言っても、大規模オフィスから中小規模オフィスまで幅広く、基準寸法もオフィス規模によって変化をします。そのため、標準的な寸法、最小寸法、ゆとりのある寸法をなるべく提示できるように努力いたしました。ぜひレイアウトづくりの参考にしてください。
標準的な人の幅と通路幅
標準的な人の幅
日本人の身体の幅は両手を自然に下げた状態で、男性は約500mm、女性は約460mmです。こちらを基準とし、歩行時の動作などを考慮したうえでオフィスレイアウトの基準寸法を定めます。
最小限の通路幅
人の身体の幅や、歩く時の動作を考慮し、最小限の通路幅は600mmです。
すれ違いができる通路幅(メイン通路)
2人がすれ違う場合の通路幅は1200mm以上が必要です(最小限の通路幅600mmの2倍)。
- 建築基準法施行令第119条(外部リンク)の規定では、片側居室の通路幅は1200mm以上、両側居室の通路幅は1600mm以上を確保することが定められています(廊下の用途や居室の床面積による例外がありますので、詳細は条文をご確認ください)。
デスクレイアウトの基準寸法
デスクとデスクの間
デスクとデスクを背中合わせ
デスクとデスクを背中合わせにした場合、デスクとデスクの間は1600mmあると1人が通り抜けできる通路にできます。1400mmだと狭め、1800mmだとゆとりがあります。
デスク側面とデスク側面
デスク側面とデスク側面の間は900mmあると1人が通り抜けできる通路にできます。600mmだと狭めです。1200mm以上あると2人がすれ違うメイン通路にできます。
スクール形式のデスクレイアウト
デスクを同方向に向かって並べるスクール形式のレイアウトの場合、デスクとデスクの間は800mmが標準、700mmだと狭め、900mmだとゆとりがあります。
デスクと壁の間
デスク背面に壁(動線でない場合)
デスクの背面に壁があり、マネージャー席や個人情報を扱う部署などで座席の後ろを動線とせず、あえて人が通りにくくしたい場合、デスクと壁の間は900mmが標準、700mmだと狭めです。
デスク背面に壁(動線の場合)
デスクの背面と壁の間は1400mmあると1人が通り抜けできるような通路にできます。1200mmだと狭めです。
デスク側面に壁
デスク側面と壁の間は900mmあると1人が通り抜けできる通路にできます。600mmだと狭めです。1200mm以上あると2人がすれ違うメイン通路にできます。
デスクと書庫の間
デスク背面に書庫
デスク背面に書庫がある場合、両開き書庫の扉やラテラル書庫の引出しの開閉寸法と、収納物を探す時にしゃがんで作業することを考慮し、デスクと書庫の間は1500mm以上は確保したいところです。1800mmだとゆとりがあります。オープン書庫や引違い書庫がデスク背面にある場合は、扉や引出しの開閉寸法を考慮しなくていいので1200mm以上を確保するのが適当です。
デスク側面に書庫
デスク側面に書庫がある場合、両開き書庫の扉やラテラル書庫の引出しの開閉寸法と、収納物を探す時にしゃがんで作業することを考慮し、デスクと書庫の間は1200mm以上は確保したいところです。1600mmだとゆとりがあります。オープン書庫や引違い書庫がデスク側面にある場合は、扉や引出しの開閉寸法を考慮しなくていいので1000mm以上を確保するのが適当です。
デスクと複合機の間
デスク背面に複合機(コピー機)
デスク背面に複合機(コピー機)がある場合、機器の操作や用紙トレーの開閉寸法を考慮し、デスクと複合機(コピー機)の間は1500mm以上を確保します。1200mmだと狭め、1800mmだとゆとりがあります。
デスク側面に複合機(コピー機)
デスク側面に複合機(コピー機)がある場合、機器の操作や用紙トレーの開閉寸法を考慮し、デスクと複合機(コピー機)の間は1200mm以上を確保します。1000mmだと狭め、1600mmだとゆとりがあります。
デスクの1人あたり幅
片袖机 幅1200mm
オフィスデスクの中で最も利用されることが多いのが幅1200mmの片袖机です。片袖机の代わりに平机+サイドワゴンを利用する場合もあります。なお、奥行は700mm、高さは720mmが定番です。
片袖机 幅1000mm
省スペースを重視する際に利用されることが多いのが幅1000mmの片袖机です。片袖机の代わりに平机+サイドワゴンを利用する場合もあります。なお、奥行は700mm、高さは720mmが定番です。
両袖机 幅1400mm
ゆったりと机上面を使え、収納量を確保できるため、マネージャーなどにおすすめなのが幅1400mmの両袖机です。幅1200×奥行700mmの片袖机を向かい合わせにして配置すると奥行の合計は1400mmです。その面に幅1400mmの両袖机がぴったり納まり、一般的な島型対向式レイアウトになります。なお、奥行は700mm、高さは720mmが定番です。
会議テーブルレイアウトの基準寸法
会議テーブルと壁の間/会議テーブルと会議テーブルの間
会議テーブルと壁の間
会議テーブルと壁の間は人の移動を想定するなら1000mm以上は確保したいところです。1200mmだとゆとりがあります。人の移動を想定しないなら700〜900mm程度とする場合があります。
会議テーブルと会議テーブルの間(スクール形式)
会議テーブルを同方向に向かって並べるスクール形式のレイアウトの場合、会議テーブルと会議テーブルの間は800mmが標準、700mmだと狭め、900mmだとゆとりがあります。
会議テーブルと壁の間(スクール形式)
会議テーブルを同方向に向かって並べるスクール形式のレイアウトの場合、会議テーブル側面と壁の間は1000mmあると1人が通り抜けできる通路として余裕があります。省スペースの場合は最低600mmは確保したいところです。また、1200mm以上あると2人がすれ違う通路にできます。
会議テーブルの1人あたり幅
幅1500mm会議テーブルに2人
2人用としてはスタンダードで、1人あたり幅750mmを確保しています。
幅1800mm会議テーブルに2人
2人用としては1人あたり幅900mmでゆとりがあります。
幅1800mm会議テーブルに3人
3人用としては省スペース設置が魅力ですが、1人あたり幅600mmでやや狭く感じます。
幅2100mm会議テーブルに2人
2人用としては1人あたり幅1050mmでかなりゆとりがあります。
幅2100mm会議テーブルに3人
3人用としてはスタンダードで、1人あたり幅700mmを確保しています。
- 上記は片側のみに着座する「折りたたみタイプ会議テーブル」の例です。向かい合って着座する「固定タイプ会議テーブル」の場合も考え方は同様で、1人あたり幅が600mmで狭め、幅750mmでスタンダード、幅900mm以上でゆとりがあります。
応接セットレイアウトの基準寸法
ソファとテーブルの間
応接セットのソファとテーブルの間は、足元のスペースに余裕を持ちながらテーブルに手が届く距離として500mmが標準です。400mmだと狭めです。
ソファと壁の間
応接セットのソファ側面と壁の間は1000mmあると1人が通り抜けできる通路として余裕があります。省スペースの場合は最低600mmは確保したいところです。
レイアウトサンプル
30名のオフィスで、役員室、執務室、大会議室、小会議室があるレイアウトサンプルです。こちらのページに記載の基準寸法に基づいてオフィス家具をレイアウトしています。基準寸法に基づくことで、通路が適切に確保され、わかりやすい動線で、スペース効率がいい機能的で働きやすいレイアウトに仕上がっています。
- 画像をクリックすると拡大します。
出典
こちらのページのオフィスレイアウト基準寸法は、一般社団法人日本オフィス家具協会/JOIFAが認定するオフィス管理士資格の講習テキスト「オフィスづくりの基礎知識」と、オフィスレイアウトの作成ができる3Dオフィスデザイナーシリーズを提供するメガソフト株式会社のWebコンテンツ「オフィスレイアウトノウハウ集」を参考にし、長年に渡り企業のレイアウト作成に携わっている「オフィス家具ドットコム」のナレッジを加え定義いたしました。また、基準寸法を記載した各パース図およびレイアウトサンプルについては、3Dオフィスデザイナー 11 Professional EXを使用して作成いたしました。
関連リンク(外部リンク)
オフィス家具の商品選定やコーディネート、レイアウトなどのご相談をご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。当ショップのオフィスプランナーが対応いたしますので、プランが固まっていない段階でのご相談も承ります。